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2009年6月

「恐怖箱 蟻地獄」

8冊目。今月はコレで打ち止めでしょう。読みさしが3冊と、来月以降は怪談本がどっちゃり出てくるので、もう少しペースアップするものと思われます(笑)

ということで、今回のご紹介は竹書房文庫から出ている「恐怖箱 蟻地獄」(原田 空・矢内倫吾・高田公太著)でございます。結局、3冊立て続けに怪談本です(笑)

こちらは「超怖」シリーズとは別ラインのシリーズ(根っこは同じでしょうけど)で、超-1グランプリ出身の著者3人による実話怪談の競作本です。すでに10冊を超えるシリーズとなっており、うち1冊(創作怪談本)を除いて、すべてをここでも紹介しています。で、そのシリーズ最新刊がこの本。

構成は読んでいて安心のオーソドックスな実話怪談本。オーソドックスな構成とは裏腹に、こちらも結構ヘビーな話が収録されています。淡々と語られているので、それで怖さが和らいでいるところがあるかも知れませんが、冷静に想像してみると実に気味の悪い、怖い話のオンパレードです。この本は特にスプラッター系のお話が多いかも知れません。なので、想像力豊かな人が読むと、気分が優れなくなることがあるかも。

シリーズものなので、つい内容もたるみがち、と思いきや、テンションは非常にいいところで一定しているように思えます。極端にエスカレーションすることもなく、さりとてテンポのいい軽い話になりがちになることもなく、ストレートに怖い本で続いている感じです。この本もそういう意味で堪能できる1冊です。グロな話が入っているので、苦手な人は不向きでしょうが、怪談好きならぜひ。強くオススメです。

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「『超』怖い話 怪記」

7冊目。ストック1冊です。

ということで、今回のご紹介は竹書房文庫から出ている「『超』怖い話 怪記」(松村進吉著)でございます。引き続き怪談ということで。

こちらもまた概要は省略(笑)。↓で書いたように、この著者もまた超-1グランプリ出身の人だそうです。

で、こちらはというと、オーソドックス・正統派の実話怪談本、という体裁です。が、構成がオーソドックスでも、中身は実にバラエティに富んでいます。ちょっと軽めのお話や、オチがいい話なども入っている一方、やはりこの本でもちょっと長めのお話に、重く、暗く、粘着質なお話がいくつか収録されています。実際にそういう話を体験した人がいてこその実話怪談なのですが、ホント、実際に体験していたらシャレにならん話ばかり。

こちらも著者に覚えがないので、手に取りにくいということはあるやも知れませんが、シリーズの看板を信じて、の買いの1冊だと思います。強くオススメです。

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「『超』怖い話 怪歴」

6冊目。ストックは減らず2冊なので、とっとと書きます。明日で6月も終わりなので。

ということで、今回のご紹介は竹書房文庫から出ている「『超』怖い話 怪歴」(久田樹生著)でございます。すっかりシーズンイン、ということで怪談です(笑)

ま、概要はもう省略します(笑)。いわゆる「超怖」シリーズの1冊。著者は言われてパッと気づく方ではありませんが、超-1グランプリの成績優秀者だそうです。

中身はというと、ちょっと変則的な構成になってます。「新耳袋」のようにひとつのエピソードをいくつかの小見出しに分けている長編が何本か収録されている一方で、いわゆる実話怪談系の短い話を散りばめてあるというもの。この短編系の話もさることながら、長編は相当に重く、暗く、粘着質なお話ぞろいになっています。

全体にバランス良く怖い話がずらりそろった本となっています。著者に覚えがないので、手を出しにくい向きもあるやも知れませんが、人気シリーズに名を連ねるだけの1冊になっています。強くオススメです。

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「宇宙につながると夢はかなう 〜さらに強運になる33の方法〜」

5冊目。まだストック2冊あります。ヘタするともう1冊増えるかも、というペース。

ということで、今回のご紹介はフォレスト出版から出ている「宇宙につながると夢はかなう 〜さらに強運になる33の方法〜」(浅見帆帆子著)でございます。

まぁ、タイトルに「宇宙」とか付くと途端に胡散臭さ満点になるんですが、この本はそういう類の本ではありません(笑)。ま、フツーの人から見ると、やっぱり胡散臭い話なのかも知れないのは仕方ないとして。

前置き長くなりましたが、タイトルの仰々しさはさておき、要は「引き寄せ」本です。内容も「ザ・シークレット」に書いてあることとほとんど同じ。よって、「引き寄せ」本の中でもかなりベーシックな内容だと思います。ただ、シークレット直系(?)の本と大きく違うのは、著者が著者なりの解釈や論理を展開して、その結果「引き寄せ」られる、と言っている点。シークレット直系の本は本家が読みやすい分、分家はことごとく理屈っぽくって、なかなか取っつきにくい感じなんですが、この本はそういうしがらみがないせいなのか読みやすいし、読みやすい分だけ分かりやすいとも言えます。もっと言えば、著者は日本人でネイティブに日本語で書かれている分だけアドバンテージがある、とも言えるでしょう。

なので、引き寄せに興味がある人にはオススメなんですが、ピンでも読めるとは言え、せめて本家の「ザ・シークレット」だけでも読んだ方が、より理解も深まるような気がします。まずはオススメです。

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「フラッタ・リンツ・ライフ」

4冊目。ストック2冊です。もう1冊読めるかどうか……。

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「フラッタ・リンツ・ライフ」(森 博嗣著)でございます。

ちょっと間が空いちゃいましたが、シリーズで読んでいる「スカイ・クロラ」シリーズの時系列的に3冊目となる本で、これもタイトルを音にしているんですが「Flutter into Life」となります。

シリーズなので、前作の「ダウン・ツ・ヘヴン」と一応連続していますが、内容的には「ダウン・ツ・ヘヴン」よりいくらか時間が経過していると思われます。本だとつながりが分かりにくいんですが、映画の「スカイ・クロラ」の中で、セリフの中だけで出てくる人物が、本作の主人公に設定されています。なので、映画のタネ明かし的に読むと楽しめる本かな、という気がします。

物語自体は淡々と描かれ、山場らしい山場もないものです。主人公が過ごす日々の一部を切り取った、という観さえある感じ。が、この作品はシリーズの中で重要な位置を占めます。この主人公はもちろん、登場人物の大半を占める人間の属性「キルドレ」の謎の一部が明らかにされます。

なので、この作品というよりは「スカイ・クロラ」というシリーズ全体で見たときに、読んでおくべき1冊なのかな、という気がします。むろん、この本だけでつまらないという話ではないのですが。

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「『超』怖い話 I(イオタ)」

3冊目。ストックも3冊に増えちゃいました。淡々と書いていきます。

ってことで、今回のご紹介は竹書房文庫から出ている「『超』怖い話 I(イオタ)」(加藤 一編著)でございます。「超怖」シリーズの本ですね。

まぁ、もう言わずと知れた怪談本なので、細かいことは割愛(笑)。編著者のまえがきによれば、シリーズ通巻20冊目にあたる本ということで、2007年時点ですでにかなりの冊数になってます、的なシリーズです。もっとも、個人的には加藤さん名義の本以降しか持っていないので、それほど冊数はないんですが。

で、内容ですが、この本から共著者が入れ替わったようで、ワタクシが持っている「超怖」シリーズのイメージとはやはり違っています。今現在フツーに読んでいる、これ以降の本と同じテイストではなかろうか、と。中でも、この本に関して言うなら、いわゆる幽霊譚ではなく、理解不能・解釈不能なお話が多めなように思えます。もちろん、背筋に来そうな因縁話もポツポツ収録されていて、バランスのいい構成になっています。

特に因縁話は、「なぜ? どうして?」が語られていないので、非常に不気味な話になっています。

今年も怪談の季節がやってきましたが(笑)、やはり老舗の怪談本は違います。万人向けではありませんが、強くオススメです。

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「厭な小説」

2冊目。ストック2冊です。とっとと書いていくことにしましょう。とは言っても、今月もペース遅めだったりするんですが……。

ということで、今回のご紹介は祥伝社から出ている「厭な小説」(京極夏彦 著)でございます。

ちなみに京極夏彦ってそれほど寡作な作家さんじゃないと思うんですが、ワタクシ的にはほぼ1年ぶりの紹介だったりします。基本的には「京極堂」シリーズだけを選んで読んでいるので。

で、内容はというと小説としては珍しくタイトル通り「厭なこと」をテーマにした短編を集めた1冊です。「厭なこと」と書くととても軽い感じですが、ここに書かれている「厭なこと」は、生理的に厭なことだけをとらまえて、執拗に反復させています。しかも、各話の主人公はすべて精神的にやられてしまうか死んでしまうかするという後味の悪さ。

すごいと思ったのは、その文章。一文一文から嫌悪感が伝わる「厭な」文章だったりします。表現といい、書きようといい、シチュエーションといい、申し分なく読み手を「厭な」気分にさせてくれます。京極堂シリーズではこうは書かないし、以前「どすこい」という作品で書いたように、コメディタッチの文章も書ける人だったりするので、その表現力の幅広さには脱帽です。

もうひとつ、読んでいて途中で気づいたんですが、それぞれに無関係な短編小説の集積かと思いきや、各話の主人公に対して共通の「聞き手」を用意して、聞き手の身の回りにいる人たちが「厭な」思いをする、という構造になっています。最終話は聞き手自身の話だったりして、周到に構成されています。

体裁も凝りまくりで、古くさい厭な雰囲気たっぷりの本になっています。

意外に厚手の本なので、読むのに苦労するかと思いきや、厭な話に引き込まれてアッという間に読めました。各話読むと「なんでこうなっちゃうの?」と感じる説明のない箇所も多数あったりするんですが、理屈抜きで「厭な」話を堪能できます。万人向けではないと思いますが、強くオススメです。

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「ジオン軍の失敗」

6月の1冊目。と言いながら、今日はすでに明けて6日。やっぱりペースが遅めでしょうか。

ということで、今回のご紹介は講談社アフタヌーン新書から出ている「ジオン軍の失敗」(岡嶋裕史著)でございます。ちなみに講談社の新書と言えば、現代新書シリーズが一番メジャーですが、アフタヌーン新書は新しくできたシリーズのようです。

で、中身はというと、タイトルからして分かる通りガンダムなネタです。中でもファーストガンダムで扱われる、いわゆる「一年戦争」がベースになっています。一年戦争をネタに、通史(と言っても1年分の話にしかならないワケですが)的なお話を展開する本は少なくないんですが、この本はジオンの技術開発にスポットを当てた、超異色な新書です。

とりわけ、技術開発の中でもモビルスーツに注目し、主力モビルスーツに関する技術開発と設計思想、実際の戦果などなど多角的に論を展開しています。

結果として、モビルスーツの開発と運用に難があった、それ故にジオンは負けるべくして負けた、というのが大筋の結論なんですが、ガンダムという「架空」のお話があたかも実際にあったがごとく語られ、しかもさまざまな設定本やノベライズなどを駆使して、微に入り細にわたる検証を展開しているのがとにかくすばらしいところです。こういう角度からガンダムを見渡すと、また違った楽しみ方ができるなぁ、と読みながら感心しました。

そもそもガンダムを知らない人にとっては、少しも面白くない本なんですが、ガンダムを知っている人にとっては、ただの設定本などに比べると何倍も面白い読み物だと思います。強くオススメです。

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