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「クレィドゥ・ザ・スカイ」

気づけば今月も半分以上終わっているんですが、今月の1冊目です。ストックはちょっと少なめの3冊。例によって、ちゃきちゃき書く所存です(笑)

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「クレィドゥ・ザ・スカイ」(森 博嗣著)でございます。まずはまっとうな小説から。

で、この本は以前から淡々と読み続けて紹介している「スカイ・クロラ」シリーズの1冊で、時系列的に4冊目の本となります(刊行順だと5冊目)。ちなみに「クレィドゥ・ザ・スカイ」は「Cradle the Sky」。

主人公は一人称で「僕」を名乗っていますが、全編を通じて「僕」としか語らず、周囲との会話によってもその名前が明かされない特殊な書かれ方をしています。もっとも、最後の部分では謎解き的に名前を呼ばれて振り向く、という描写がなされてはいますが。

この作品については、そんな特殊な書かれ方故に前作「フラッタ・リンツ・ライフ」との連続性を感じられません。ただし、その中でも軸となる女性はしっかり描かれているので、シリーズとしての統一感は残されている、という感じです。どういう経緯かで病院に収容され、そこから延々と逃げ続ける、というストーリー展開で、それだからこそ思っていたよりもメリハリのあるお話になっています。

何よりも冒頭部分からしばらく続く、娼婦との逃避行の部分が切ないです。切なすぎるくらいに切ないやりとりが続いて、そこにやられてしまいます。それ以降も別の女性に匿われるワケですが、そこでも結果的にその女性を追い詰め、死に至らすという、どうにも重い話だったりします。

シリーズ全体が決して明るい話ではありませんが、この作品は中でも群を抜いて重くて切ない話のような気がします。

さすがにこの本は不透明な部分が多すぎるだけに、連続性のない話ではあるものの、前3作を読んでいないと理解不能かも知れません。オススメですが、ぜひ前3作もまとめて。

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