文庫:小説

「スカイ・クロラ」

4冊目。ということで、今月はこれで打ち止めです。ちなみに現時点で読みさしが3冊。うち1冊はじきに読み終わりますが、残り2冊は結構かかりそう。これ以外に新刊の文庫が2冊出るので、なんとか5冊はいけるかな、と。月10冊は読みたいんですけどねぇ……。

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「スカイ・クロラ」(森 博嗣著)でございます。今月の1冊目がシリーズの「クレィドゥ・ザ・スカイ」でしたが、勢いで読んじゃった、といったところです。

上にも書いた通り、時系列順でいくとシリーズの最後、刊行順でいくとシリーズの最初となり、シリーズそのもののタイトルにもなっている、いわばキモとなる作品です。ちなみに例によって「The Sky Crowler」を音で表記しています。何故にこの作品だけ定冠詞が付くのかは謎ですが(笑)

で、この作品に限っては劇場版アニメにもなっています。大枠は同じようにストーリーが流れていくのですが、アニメと原作では後半からラストにかけてはまったく違う展開になっていて、逆に読み進めていって「あ、同じだな」と思っているうちに、あれよあれよとストーリーが変わっていくので、新鮮味はありました。

ここから「ナ・バ・テア」につなぐと、やっぱりちょっと解りにくいかなぁ、という気はします。時系列順に読んでいく方が、時系列でストーリーが並ぶ分だけ頭で追っていけるというか。

「フラッタ・リンツ・ライフ」「クレィドゥ・ザ・スカイ」と続けて、この作品でも全体の鍵となる“キルドレ”の話が出てきますが、ここではほぼ消化された話となっていて、キルドレの心模様というか、心理的な部分の描写が多く出ているようです。

結局、全体像は「スカイ・クロラ」まで読み進めて何となくは解るものの、バックグラウンドがどうなっていて、なぜにキルドレがいるのか、というところまで明確に明かされていません。この後に「スカイ・イクリプス」という短編集があるんですが、これがシリーズ全編の補足的作品を収録しているらしいので、そこで解る仕掛けになっているのかも知れませんが。

この作品に限って言えば、単体でも読める(アニメ化されているので)のでオススメはできますが、やはりシリーズものは全体を読んでこその1冊、という感じはします。

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「クレィドゥ・ザ・スカイ」

気づけば今月も半分以上終わっているんですが、今月の1冊目です。ストックはちょっと少なめの3冊。例によって、ちゃきちゃき書く所存です(笑)

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「クレィドゥ・ザ・スカイ」(森 博嗣著)でございます。まずはまっとうな小説から。

で、この本は以前から淡々と読み続けて紹介している「スカイ・クロラ」シリーズの1冊で、時系列的に4冊目の本となります(刊行順だと5冊目)。ちなみに「クレィドゥ・ザ・スカイ」は「Cradle the Sky」。

主人公は一人称で「僕」を名乗っていますが、全編を通じて「僕」としか語らず、周囲との会話によってもその名前が明かされない特殊な書かれ方をしています。もっとも、最後の部分では謎解き的に名前を呼ばれて振り向く、という描写がなされてはいますが。

この作品については、そんな特殊な書かれ方故に前作「フラッタ・リンツ・ライフ」との連続性を感じられません。ただし、その中でも軸となる女性はしっかり描かれているので、シリーズとしての統一感は残されている、という感じです。どういう経緯かで病院に収容され、そこから延々と逃げ続ける、というストーリー展開で、それだからこそ思っていたよりもメリハリのあるお話になっています。

何よりも冒頭部分からしばらく続く、娼婦との逃避行の部分が切ないです。切なすぎるくらいに切ないやりとりが続いて、そこにやられてしまいます。それ以降も別の女性に匿われるワケですが、そこでも結果的にその女性を追い詰め、死に至らすという、どうにも重い話だったりします。

シリーズ全体が決して明るい話ではありませんが、この作品は中でも群を抜いて重くて切ない話のような気がします。

さすがにこの本は不透明な部分が多すぎるだけに、連続性のない話ではあるものの、前3作を読んでいないと理解不能かも知れません。オススメですが、ぜひ前3作もまとめて。

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「終戦のローレライ(I〜IV)」

4冊目。ストック変わらず3冊ですが、もう1冊は増えそう。そして明日は30日。……とっとと書きます。

ということで、今回のご紹介は講談社文庫から出ている「終戦のローレライ(I〜IV)」(福井晴敏著)でございます。久しぶりにまた小説です。

この福井晴敏なる人、実はワタクシ初めて読む作家さんなんですが、映像先行で「亡国のイージス」だの「真夏のオリオン」だのは観てたりするので、おおよそどういう書きようをする人か、というのは理解してたつもりでした。もっとも、最近は「機動戦士ガンダム U.C.」とかも書いてたりして、実にいろいろと書ける人なんだな、と再認識しとりますが。

で、この「終戦のローレライ」も一連の軍事系作品のひとつ。ワタクシは観ていませんが、映画にもなっています。というか、あとがきにありましたが、映像ありきで作品化されている小説だったようです。

舞台は終戦間際の太平洋戦域で、細かい時間軸で言うと終戦半月前くらいの短いスパンの中で作品が成立しています。実在の人物も多数出てきてたりしてますが、基本は仮想戦記。欧州戦域で負けたドイツの戦利潜水艦を巡る、駆け引きと戦闘、人間模様が事細かに描かれています。

この本、文庫で4分冊になっている上、I以外は軒並み600ページ超というとても長い小説です。時間軸は実質2週間ちょっとの出来事なので、往々にしてムダな描写を多数詰められがちですが、この小説は実に巧みにストーリーを展開し、最後までとことん飽きさせない作りになっています。エピローグの部分に主人公とヒロインのその後が描かれていますが、そこが何とも切なくホロッときそうなのもいい感じです。

ということで、刊行されたのはそこそこ前だったりするんですが、著者の筆力とストーリー展開の面白さ、小説自体の面白さを存分に堪能できる作品だと思います。ぶっちゃけ、久しぶりにハマった小説を読んだ気がします。ということで、文句なし、強くオススメの作品です。

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「物語の幸福」

4冊目。何気にストックが減らず3冊です。今は大部な本を読んでいるので、おそらく今月はこれで打ち止めになりそうです。ちょっと少ないなぁ……。

ということで、今回のご紹介は角川文庫から出ている「物語の幸福」(片岡義男著)でございます。ごっつい久しぶりに片岡義男の本を手に取った、という感じですね。

角川文庫から出ている本なので、例によって例のごとく薄めの短編集です。6つの短編が収録されていて、それぞれに男性の作家が登場し、それぞれに小説を書く、というモチーフのもとにお話が展開されていく、というもの。

これまた例によって例のごとく、「この流れはあり得ないだろう」という非日常的な流れが当然のように描かれ、そこにググッと惹かれてしまったりするわけです。お互いに好きあっている男女だけど結婚だけはできない2人とか、フランスで偶然出会った、口説いている最中の女性の妹、とか、まぁ、次から次へといろんな人間関係が出てくること、というのも、片岡義男の小説ならでは。

文体もいつも通り、読ませる感じもいつも通り、とまったく冒険を感じないところが逆によろしい感じです。過去(と言っても80年台の話ですが)に刊行された作品からさらに抜粋しての短編集かな、とも思ったんですが、どうも読んだ記憶がないので、完全な新刊なのかも知れません。

山も谷もオチもない(でも、ヤオイじゃない・笑)実に淡々とした小説なので、好みは分かれるでしょうが、ワタクシくらいの年回りの人ならきっとこの独特な世界も分かるだろうし、片岡義男の世界を知っている人も多いと思います。そういう方々には強くオススメしておきます。

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「フラッタ・リンツ・ライフ」

4冊目。ストック2冊です。もう1冊読めるかどうか……。

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「フラッタ・リンツ・ライフ」(森 博嗣著)でございます。

ちょっと間が空いちゃいましたが、シリーズで読んでいる「スカイ・クロラ」シリーズの時系列的に3冊目となる本で、これもタイトルを音にしているんですが「Flutter into Life」となります。

シリーズなので、前作の「ダウン・ツ・ヘヴン」と一応連続していますが、内容的には「ダウン・ツ・ヘヴン」よりいくらか時間が経過していると思われます。本だとつながりが分かりにくいんですが、映画の「スカイ・クロラ」の中で、セリフの中だけで出てくる人物が、本作の主人公に設定されています。なので、映画のタネ明かし的に読むと楽しめる本かな、という気がします。

物語自体は淡々と描かれ、山場らしい山場もないものです。主人公が過ごす日々の一部を切り取った、という観さえある感じ。が、この作品はシリーズの中で重要な位置を占めます。この主人公はもちろん、登場人物の大半を占める人間の属性「キルドレ」の謎の一部が明らかにされます。

なので、この作品というよりは「スカイ・クロラ」というシリーズ全体で見たときに、読んでおくべき1冊なのかな、という気がします。むろん、この本だけでつまらないという話ではないのですが。

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「ダウン・ツ・ヘヴン」

4冊目。変わらずストック1冊です。読めませんねぇ、なかなか。

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「ダウン・ツ・ヘヴン」(森 博嗣著)でございます。

今月最初に紹介した「ナ・バ・テア」と同じく、「スカイ・クロラ」シリーズの作品で時系列的に第2作目に当たる本です。まぁ、これも音をカタカナにしてタイトルとしているんですが「Down To Heaven」ですね(見りゃ分かるか・笑)

上にも書いた通り、時系列で「ナ・バ・テア」の次にくるので、内容的にもしっかり連続しています。主人公も変わらず、とりまく環境が数ヶ月とかって年とかって単位で変わっているようです。「ナ・バ・テア」と同じく、劇場版で設定された時間から見ると、過去にあたるので劇場版では一切語られない内容がここにも書かれています。なので、刊行順で「スカイ・クロラ」から読み始めた人や劇場版から入った人は、そこで語られなかったいろいろが少しずつ見えてくる、という仕掛けです。

空戦シーンはやっぱり今ひとつ想像力が働かない感じで、どうもそこがもどかしいんですが、そこはそれ。読んでいて退屈することはないし、サクサク読める本です。著者は「どこから読んでも大丈夫」と言っているようですが、個人的には刊行順、もしくは時系列順で読み進めるのがオススメです。

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「ナ・バ・テア」

4月の1冊目。当然ストックはありません(笑)。今月は最低10冊目標でがんばって読んでいきたいな、と思う次第でございます。

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ている「ナ・バ・テア」(森 博嗣著)でございます。タイトルがカタカナの字面だと何だか分からないんですが、「ナ・バ・テア」は「None But Air」をそれっぽく音にしたタイトル、といったところでしょうか。

で、このお話自体は去年、押井守監督で劇場版アニメ化された「スカイクロラ」シリーズの1冊となります。刊行順でいくと、シリーズタイトルにもなっている「スカイクロラ」が一番最初で、次がこの「ナ・バ・テア」らしいんですが、著者曰く「ナ・バ・テア」が一番最初のお話、ということらしいので、ワタクシもそれに沿って読んでみました。

そもそも、この「スカイクロラ」シリーズって背景がよく把握できないお話で、キルドレなる大人にならない子供とエンターテイメントとして存在する戦争がキーワードになっているようなんですが、なぜにそんなことになっているのかが映画では語られませんでした。まぁ、さすがにストーリーとして一番最初に位置するこの作品を読んだからとて、そのあたりの話が分かるワケもないんですが、映画で「?」と思った一部はこの作品を読んで納得しました。

ほどほどの厚みで、内容もそこそこ濃い目。主人公は戦闘機乗りなので、空戦シーンも多数含まれているんですが、文字面で空戦シーンを描写するのはなかなか難しいようで、読んでいてもイマイチ様子が想像できない、というか、頭に浮かんでこないんですよね。そこが唯一の難点。あと、この話に関して言うなら、主人公は女性ですが、一人称代名詞に「僕」とあるので、しばらく読んでいかないと女性であることが分かりません。ただし、アニメを観た人は名前が出てくるので、その時点で女性だな、と判断が付くでしょう。というような、妙な複雑さがあったりもしますが、概ね面白く読める1冊です。とりあえずオススメな1冊。

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「それから」

もう月も半ばを過ぎての更新ですが、12月の1冊目。ストック2冊あるんですが、それでも月内10冊は相当無理なペースになっちゃいました。

ということで、今回のご紹介は角川文庫から出ている「それから」(夏目漱石著)でございます。「門」の時にも書きましたが、もはや版元は問題じゃないですな(笑)

この作品も当然以前に読んだことがありまして、今回は年単位ぶりでの再読でした。確か新潮文庫で持っていたと思っていたんですが、たまたま見つからず、本屋で新潮のを探したらこれまたたまたまなく、しょうがない、角川にするか、といった風情で再読するために買っちゃいました。むろん、再読しようと思った動機は「こころ」のときに書いたように、ETV特集を見ちゃったから。

名作すぎるくらい名作なので、スジは当然頭の中にざっくりと記憶されていて、通して読んでみての驚きみたいなものはなかったんですが、代助が三千代に愛を告げるまでの煩悶っぷりがとても生々しく感じましたね。前に読んだときはそんな感じを受けなかったんですが。クライマックスのそこから締めに至るまでは一気に読まずにいられない感じ。本当に淡々と書かれた「門」とは違い、劇的です。

85年に松田優作と藤谷美和子のコンビで映画化されたのも観ましたが、原作の方がもっとしっとりとしていて、空気感や色彩感を感じた気がしました。

ま、これだけの名作、入手も簡単だしいつでも読めるんで、興味はなくとも一度は読んだ方がいいと思います。強くオススメです。


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「門」

9冊目。気づけばあと数時間で11月もお終いで、何気にストックがあるので、連続投稿で。

ということで、今回のご紹介は新潮文庫から出ている「門」(夏目漱石著)でございます。再び文豪シリーズということで。

前に紹介した「こころ」が後期三部作の最後の作品だったなら、今回の「門」は「三四郎」「それから」に続く前期三部作最後の作品となります。

よく解説にも書かれていることですが、「門」は「それから」のそれから以後を描いたとも言える作品で、友人の奥さんとすったもんだで結婚した主人公の心情と日常を描いています。

もちろん、この本もだいぶ前に読んでいるんですが、当然大筋しか覚えていなくて、今回改めて読んでみて感じたのは、実に淡々としているお話であるということ。物語の半ばを過ぎても実に抑揚のないストーリーが続きます。友人の奥さんを奪い取る(合意の上ですが)エピソードも挿入されてはいるんですが、「こんな話だっけ」と思うくらい抽象的な書かれようで、ともすると読み飛ばしそうな部分だったりします。

後半、禅寺に入るところも、何か劇的なエピソードがあったような気がしたんですが、これまた淡々と日々が過ぎつつ、主人公がああでもない、こうでもないと煩悶しているだけのシーンで、最後も単なる日常のワンシーンで締められます。そのくらい抑揚のない話なんですが、ならばつまらないか、と言われると、これが面白い。すごいことに面白いんです。本当にどうってことないエピソードの積み重ねで書かれているだけの作品ですが、飽かず読ませるところもすごいし、しかも面白いのがすごい。

贔屓の引き倒しかもしれませんが、読んでない方はぜひ。強くオススメです。

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「こころ」

4冊目。ストック減らず、なので、ちょっと更新頻度上げます……上げる予定です(笑)

ということで、今回のご紹介は講談社文庫から出ている「こころ」(夏目漱石著)でございます。……この手の作品は、版元はどこでもいいですな。内容は同じだから(笑)

文豪系の作品を紹介するのは初めてとなりますが、漱石の後期三部作の最後の作品となるもの。今はどうだか知りませんが、中学校だか高校だかの国語の教科書にも載ってたし、本を読まない人でもこの作品の名前くらいは聞いたことがあるだろう、というくらい超メジャーなタイトルです。

ワタクシももう何度読んだだろう、ってくらい読んだ作品です。先日NHK教育テレビの「ETV特集」で姜尚中が「三四郎」「それから」「こころ」を取り上げて解説をしていたんですが、それを観ていてふと読み返したくなったのがきっかけで、十数年ぶりに読み返したんですが、そもそも細かいところは忘れているので、再読すると新鮮です。特にラストの部分は、先生の遺書で締められていて、「こんな終わりだっけなぁ」と再確認しちゃいました。

全体に重いトーンの作品で、かつ作品の大半を「先生の遺書」が占めているという異形の構成となっていますが、結局「先生」の語る過去がこの作品のキモなので、仕方ないと言えば仕方ないんでしょう。上に書いたように、先生の遺書で作品自体も締められていて、「私」や「お嬢さん(妻)」のその後はまったく語られていないんですが、そこに重きはない、ということなのでしょう。

こういう名作はついスジを楽しむよりも、分析的になりがちなんですが、お話としてもなかなかよく出来ていると思います(じゃなければ、作品が残らないか・笑)。今さらオススメもないもんですが、ぜひ。

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「203号室」

4冊目。で、ストック減らず4冊。いけませんなぁ。

ということで、今回のご紹介は光文社文庫から出ている「203号室」(加門七海著)でございます。怪談……ではないけど、ホラー小説ということで(笑)

例のごとく、かどうかは分かりませんが、このお話の中にも一部作者の体験談が織り込まれているようですが、とにもかくにも創作なのでホラー小説です。前に紹介した「祝山」は主人公の名前からして、かなり作者を連想させるものでしたが、こちらは明らかに創作そのものと言えるでしょう。

スジは結構ありきたりで、独り暮らしに憧れていた女子が大学進学をきっかけに東京に出てきて、独り暮らしを始めたその部屋で起こった怪異が云々、というもの。こう書くと本当にありきたりな話っぽいんですが、中は結構読ませます。というか、展開はかなりスピーディー。だんだんと精神的に追い込まれていく様は「だんだんどうなっちゃうんだろう」と引き込まれずにいられない感じ。

ではあるんですが、Amazonのレビューにも多く書かれていましたが、最後が分かんないんですよね。「? 結局どうなったの??」という感じで、そこが「祝山」とは大きく違うところ。後日譚が書かれるでもなし、「あ、そういうこと?」と朧気に暗示されてはいるんですが、それがよう分からん。

小説なら、ましてやホラー小説なら、このオチの部分って結構重要な気がしないでもないんですが、そこが明示的でない、というのがこの作品をイマイチなイメージにしている気がします。正直、面白く読めはしましたが、読んだ後にどうもすっきりしないというか、煮え切らない感じが残って仕方ない。ということで、強くはオススメできませんが、ホラー好きならそこそこ楽しめると思います。

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「オワスレモノ」

8冊目。で、ストックがさらに増えて5冊。なかなか書ききれません。読むのは簡単なんですが(笑)

ということで、今回のご紹介は光文社文庫から出ている「オワスレモノ」(加門七海著)でございます。再び怪談……というかホラー小説ということで(笑)

この本については、特に実話を下敷きにした、という但し書きがついているワケではないので、創作なんでしょう。したがって、怪談本というよりは「ホラー小説」ではなかろうか、と。

内容は短編集です。8つの話で構成されていますが、どの話もかなり読ませる話ばかりです。因縁話風な後味の悪い話あり、ちょっとコメディタッチな話あり、サイコな雰囲気の話ありと、バラエティに富んでいるのもナイスです。全体に以前紹介した京極夏彦の「幽談」に似た雰囲気の本だと思います。こちらの方が不気味で怖い話が多い印象ですが。

入手も比較的簡単にできると思います。興味があればぜひ。強くオススメです。

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「『極』怖い話」

3冊目。再びストック2冊。読んでは書き、書いては読んで、というミョーな案配になりつつありますが(笑)

ということで、今回のご紹介は竹書房文庫から出ている「『極』怖い話」(加藤一 著)でございます。3冊目もやっぱり怪談(笑)

この本も「言わずと知れた」という感じですが、「新耳袋」と双璧を成す「『超』怖い話」シリーズの1冊です。「超」の時は共著(というか片方編著者)だったんですが、その編著者たる加藤一さんの単著となる1冊でもあります。

ま、スタンスは「超」とあまり変わらず、実話怪談。中には因縁話もあり、ほんのりグロやほんのりエロな話もありつつ。収録された7話すべてが地の文と著者の文と混在しているのもそのままと言えます。

内容としては少なからずある因縁話のせいもあって、結構怖いです。やっぱり因縁話が入ると雰囲気が変わります。一方で、結構ひょうきんな話も入っていて、構成自体は秀逸だと思います。「新耳袋」や「九十九怪談」とはまた違った方向の怪談本として、人気のシリーズになっているのもうなずける1冊。強くオススメです。

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「祝山」

9月最初のポストです。というか、もうすでにストックが2冊あったり(笑)。なかなか書けなくてズルズルと言ってますが、今月も読んだ分だけは記録していきます。

ということで、今回のご紹介は光文社文庫から出ている「祝山」(加門七海著)でございます。この人の作品、ということは、当然怪談(笑)。9月も怪談からスタートです。

で、いわゆる「実話系怪談」とは違って、実話をベースにした「小説」です。どのくらい創作部分が入っているのかは分かりませんが、れっきとした「創作物」であることは間違いないところです。だからって、実話を淡々と収録した本が「創作物」でない、とは言いませんが……。

スジはいつものごとく書きませんが、大枠だけ言えば禁忌の場所に足を踏み入れた人が祟られる、そのさまを描いた、というお話です。正確には心霊スポットがたまたま禁忌の場所であった、という設定(実際にもそうだったんでしょう)です。

確か、どこかでこの元ネタを読んだ記憶があるんですが、ちょっと定かじゃありません。読後感はと言えば、相当よろしくない(笑)。というか、ヘタな実話怪談よりもはるかに怖い話です。主人公たる著者の分身が、祟りに絡め取られそうになる恐怖がひしひしと伝わってきて、それだけでもかなり怖いです。と、同時に因果応報系のお話なので、読後感が悪いと(笑)。すごく後味の悪い結末になってます。それがまた怖い。

ということで、怪談好きはかなり楽しめるんじゃないでしょうか。無論、ホントに怖いので、小説とは言えども夜中に読みたくない本です。とりあえず、読む人を選ぶ本ですが、強くオススメします。

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「空の境界(上中下巻)」

さっそく今月の1冊目です。見出しを見れば分かるように、実際には3冊読んでいるので「1作品目」とでも言いましょうか。

ということで、今回のご紹介は講談社文庫から出ている「空の境界(上中下巻)」(奈須きのこ著)でございます。「引き寄せ」系の本から一転して、今度は小説です。

そもそも、この本を手に取った(というか読もうと思った)のは、劇場版アニメが公開されていて、それが何でもどえらい人気だとか。かつ、DVD化されるんですが、これまたどえらい人気だとか。で、何でこんなに人気があるの? と思い、方々調べてみてYouTubeで予告編を観、さらにWikiで物語の概要を知るに至って「もしかしたら面白いのかも?」と思ったワケでして。ついでに、小説が面白かったら劇場版DVDを買ってみよう、というお試し的なところもあったり。

内容は、というと、簡単に要約できません。文庫で3分冊、しかも中巻と下巻は500ページオーバーの分厚い本なので、分量が当然あるわけでして。内容を全部すっ飛ばして大枠だけで話をするなら、ヒロインの「両儀式」とヒーロー(とはとても呼べない役回りですが)の「黒桐幹也」をめぐるお話、です。最後の方では恋愛濃度高めの書かれ方をしているので、あながちウソではないと思う……んですが(笑)

まぁ、やれ魔術師だ、やれ常人と違う能力だ、と「伝奇物」な雰囲気が漂っています。特徴としては、とにかく残酷な方向で人がコロコロ死んじゃったり殺されちゃったりします。少なくとも人が死なない話はないんじゃないでしょうか。

そうですねぇ。話自体はかなり面白かったです。全部で7章+αで構成されていますが、最終章の残虐っぷりに閉口した以外は、どの話も読ませる話です。が、読了してみて結局分からなかったのが、各章の時系列。どの章がどういうつながりがあるのか、作品だけではぼんやりとしか把握できないと思います。ワタクシはWikiで予備知識を得てから読んだので、何となく分かった、という感じです。さらに、Amazonあたりのレビューによく書かれていましたが、言い回しが回りくどかったり、書きようが理屈っぽかったりして、読みにくいところがあります。ワタクシは京極夏彦なんかも読む人ですが、京極堂シリーズをさらに理屈っぽく、回りくどく、残虐に書くとこうなる、という印象です。

文章表現も上手か、と言われると、たぶんさほど上手じゃないでしょう。読んでいて微妙に情景が想像できないところが多く、スジと人物造形だけで読ませちゃうという力業に頼ってる感じがします。これだけ大部の小説な割に、あまり濃密な印象がないのもたぶんそういうところに起因しているんじゃないでしょうか。

とは言え、上にも書きましたが、話自体は面白いです。回りくどい、と言いながらも、3分冊の小説を退屈させずに読ませちゃったワケですから。たぶん、描写不足を映像が補う、という意味で、アニメ化は正解だったんじゃないでしょうか。本自体は……残虐な描写に耐えられるならオススメです。読みにくさを感じつつも、読み始めたら最後、全部読んじゃうことでしょう。もっとも、奥付を見ると上巻だけ四刷、他は初版、というのが気になったんですが(笑)

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「涼宮ハルヒの分裂」

10冊目。ストック1冊で、今月はこれで終わっちゃいそうです。もうちょっと読めると思ったんですけどね〜。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの分裂」(谷川流 著)でございます。シリーズ9冊目にして、一応最新刊となります。もっとも、初版は去年の4月なので、かれこれ1年も経っちゃってるんですけど。

ちなみに時系列で言うと前巻「憤慨」の続き、高校1年が終わって2年(朝比奈さんとかは3年ですか)に進級した後のお話になります。で、「憤慨」は短編集でしたが、こちらは再び長編になってます。そして、内容的には7冊目の「陰謀」と話がつながっています。「陰謀」の伏線がここにつながっていたようです。

内容はというと……実は10冊目とワンセットで完結するつもりで書かれたお話らしく、長編ながらこれ1冊で話は完結していません。なので、10冊目の刊行予定が未定な今となっては、読むと非常に中途半端な気分になります。おまけに、今後目立つであろう新キャラが登場していることもあって、10冊目が本当に待たれるところです。

ということで、前8冊と込みでオススメ、と言いたいところなんですが、10冊目が刊行された後に読む方がいいかと思われます。

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「涼宮ハルヒの憤慨」

2冊目。で、何気にもう2冊ストックがあったり。日曜日の雪のせいで、読書が進んだんですよね〜。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの憤慨」(谷川流 著)でございます。早くもシリーズ8冊目なんですね〜、コレが。

で、前巻の「陰謀」は長編でしたが、こちらは短編集。もっとも、2話しか収録していないので、短編集とも言い難いんですが。時系列でいくと、珍しく「陰謀」とほぼ続いていて3学期終了直前くらいのお話になっています。

どちらのお話も、きっとこの後に続くであろう続巻の伏線になっているような、そんなお話です。1話目はごくライトなお話ですが、2話目は伏線のために書かれたとしか思えないような、話の大枠が見えるような見えないようなお話です。1話目に挿入されている「話中話」とも言うべき、キャラクターが書いたとしてある小説が絶品です(笑)

ということで、前の7冊とまとめてオススメです。

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「涼宮ハルヒの陰謀」

今月最後の19冊目。さすがに20冊は届きませんでした。「東京裁判」がかなり大部だったのと、途中まで読んで放棄した本に費やした時間が徒になったやも知れません。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの陰謀」(谷川流 著)でございます。シリーズ7冊目の本です。

「動揺」「暴走」と2冊続けての短編集でしたが、この「陰謀」は長編になっています。かつ現在刊行されている9冊の中でも、もっとも長いお話です。時系列で言うと、冬休み直前から3学期半ばくらいまでのお話で、話の導入部分については「消失」の続きになっています。そう、このシリーズに関しては特に言えるんですが、時系列がバラバラ(笑)。話が前後しまくっているので、さすがに7冊目ともなると、これ以前の話を読んでいないと理解が難しいやも知れません。

かつ、今回のこのお話はヒロインたる涼宮ハルヒが前面に出てこず、サブキャラたる朝比奈さんと長門さん、鶴屋さんが大活躍するお話です。「消失」もハルヒが前に出てこない話だったので、長編はそういう位置づけのつもりで書いたんでしょうかね?

もちろん、7冊まとめてオススメ。かなり読ませてくれる1冊です。

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「涼宮ハルヒの動揺」

17冊目。で、ストックが1冊。さすがにあと実質2日で20冊の大台は厳しいです……。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの動揺」(谷川流 著)でございます。シリーズ6冊目の本ですね。タイトルに関しては……もはや言うまい(笑)

で、前巻の「暴走」に続いての短編集になっています。さらに時系列的にも各話バラバラ。1話目、2話目は文化祭当日(2話目は制作していた映画そのものの話ですが)の話、3話目、4話目が冬休み中で「暴走」のエピソードと前後したお話、5話目は冬休み明け、という構成になっています。

結局、「暴走」や「退屈」あたりで張られていた伏線がこの本あたりで何となく明らかになっていく感じです。5話目については、この後につながる伏線になっているんじゃなかろうか、と。その5話目と最初のお話はなかなかいいお話になっています。

ということで、これまた書きようがないので仕方ないんですが、6冊まとめてのオススメです。


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「涼宮ハルヒの暴走」

15冊目。で、ストックはまだまだ2冊。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの暴走」(谷川流 著)でございます。シリーズ5冊目ですね。もう毎度書いているようで何なんですが、やっぱしコレ系のタイトルは分かりにくい(笑)

で、再び短編集になっています。全6話収録の体裁を取っていますが、実質的には3話。時系列でいくと、頭の2話が「憂鬱」と「溜息」の間に挟まる夏のお話、中の2話が「溜息」の後日譚となる秋のお話、最後の2話が「消失」の後、冬休み突入後のお話になっています。時系列でもなかなか分かりにくい(笑)

これまた各話に伏線張りまくり、と思いきや、意外に独立したお話ばかりです。最後のお話はたぶん伏線を張ってあるんでしょうが、後ろのお話を読まないことには話がつながってこないので、微妙なところです。でも、そのくらい意味深な内容のお話です。

ということで、短編集でもきっちり読ませてくれています。シリーズ物なので、個々の良し悪しよりもトータルでOK、ということで、全巻まとめてオススメです。

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「涼宮ハルヒの消失」

13冊目。まだストック2冊あるので、今月は休みが多かった分だけ相当いいペースです。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの消失」(谷川流 著)でございます。シリーズ4冊目ですね。

3冊目の「退屈」でも書きましたが、この「消失」もちゃんと話はつながっています。時系列で行くと「溜息」の後の話。文化祭が終わって、冬休みに突入する前後のお話です。で、この本は「消失」でひとつのお話になってます。まぁ、著者もここまで書くハメになるとは思ってなかったんでしょうな。うまいこと書きつないでいますが、長編ありーの短編ありーの時系列錯綜しーので、大変です(笑)。ただ、上手いと思うのは、これだけ時系列がバラバラで前後しているにも関わらず、個々の作品はそれとしてちゃんと読ませるところですかね。そもそも、作品中のそこかしこに未知の伏線を張りまくっているせいもあるんでしょうが、前後の作品を読んでいなくても読めるようになっている……はずです。

で、このお話では主人公(?)たる涼宮ハルヒが半ばから「消失」します。かなり読み進めないとからくりが分からないので、読んでいる最中も「???」って感じになります。

4作の中ではかなり異色の作品になっていると思われます。この作品だけは単体で読んでも分からないかも知れません。何せヒロインが消失しちゃいますから(笑)

ということで、一応4作まとめてオススメにしておきます。

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「涼宮ハルヒの退屈」

11冊目。かつ、どうやら記念すべき(?)100投稿目にあたるようです。去年の7月1日からスタートさせたはず? なので、かれこれ半年以上もかかって、ようやっと100投稿目。メインブログとはどえらい差です(あっちはかれこれ2年以上も毎日更新してるし)

で、次の投稿が記念すべき100冊目の紹介になります。

とりあえず99冊目の今回のご紹介は、角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの退屈」(谷川流 著)でございます。涼宮ハルヒシリーズの3冊目にあたる本ですかね。前にも書きましたが、どうもこの「涼宮ハルヒの○○」ってタイトルのスタイルが分かりにくい(笑)

で、当然シリーズ物なので、前作の「溜息」、前々作の「憂鬱」とつながってます。時系列的には「憂鬱」と「溜息」の間、夏休み前後のお話です。

「憂鬱」と「溜息」はそれぞれ独立した1冊で1作品となっていましたが、「退屈」は表題作を含む短編集になっています。個々の短編が「憂鬱」と「溜息」の間の時間を埋め、さらに「溜息」で断片的に語られていたエピソードが具体的なお話となっています。

文庫だし、さほどに厚みもないので2時間もあれば読める本ですが、結構面白いです。このあたりまで来ると、単なる学園物小説ではなく、SFチックなストーリー(「憂鬱」からしてSFの範疇に入ると思うんですが)になってます。

「溜息」のところで書きましたが、この手の内容と語り口。どっかで読んだよな〜、と思ったら、新井素子に似てるんですよね。ごく当たり前の日常生活に突如SFチックな出入り口があるという。最近の作品はほとんど読んでいないので何とも言えないんですが、初期の作品はみんなこんな感じ。

だから、ワタクシでも割と違和感なくすんなり読めているのかなぁ、という気がしています。とりあえず続き物なので、まとめてどうぞ。オススメです。

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「涼宮ハルヒの溜息」

9冊目。明けて15日で9冊は結構いいペースですな。この調子でじゃんじゃん読んでいきます。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの溜息」(谷川流 著)でございます。2冊前に紹介した涼宮ハルヒシリーズの1冊です。

この「溜息」が2冊目になるんですが、このシリーズは何が問題ってタイトルが分かりにくい(笑)。いや、タイトル自体はシリーズ物としてとっても分かりやすいんですが、どれがシリーズの何番目かがさっぱり分からない。「憂鬱」以下、この涼宮ハルヒシリーズは全部「涼宮ハルヒの○○」ってネーミングになってます。もちろん、ここに書くまでもないことですが、ゲームやら何やらおよそ涼宮ハルヒに関係するコンテンツ群は全部「涼宮ハルヒの○○」なんですよね。アニメのDVDシリーズとマンガについては「涼宮ハルヒの憂鬱1」とかって番号が振られているだけなので、少なくとも順番だけはよく分かります。どっちがいいかは微妙なところですが、少なくとも文庫はタイトルだけだと何冊目なのか類推できません。

時系列で言うと、「憂鬱」より半年くらい後。「憂鬱」が春先の話で「溜息」は秋の話です。文化祭があって、そこでどうこうというドタバタが描かれています。で、これは間違いなく2冊目なんですが、文中に「憂鬱」で書かれていないエピソードをわざわざ引用して書かれている部分が散見されます。もちろん、それについての説明は何もないので、「溜息」以降の話を読まないとどうつながるかが分からないんですが。まったく伏せていないので「伏線」とは言い難いですが、まぁ伏線なんでしょう。

「憂鬱」よりも力が抜けて、いいように書けている印象です。ハルヒの能力がどうたらっていうくだりがあちこちに見られるようになるんですが、この手の話をどこかで読んだ記憶があるんですよね……。ま、とりあえずオススメです。

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「涼宮ハルヒの憂鬱」

7冊目。この連休であともう3冊も読めれば大したもんなんですが……。

ということで、今回のご紹介は角川スニーカー文庫から出ている「涼宮ハルヒの憂鬱」(谷川流 著)でございます。アニメやらマンガで知ってる人が圧倒的に多いと思いますが、「アレ」の原作です。

とにもかくにもすさまじい人気であることは知ってるんですが、現時点ですでに38刷。ホントに売れてるんですな、この本。

ワタクシも諸般の事情で作品自体は知ってたんですが、実際にあらすじを知ったのはwikiで読んだから(笑)。それを読むまでは主人公たる涼宮ハルヒが高校に入学して、ドタバタ……ってな、ある意味ベタなストーリーだとばっかり思ってたんですよね。

実際のところ、作品の大枠はベタな学園モノです。まぁ、枠の中はと言えば、ちょいとヒネってあって、それなりに読ませる作品です。作品自体の奥深さとか行間から感じる何か、というのはないんですが、Amazonのレビューやらでけちょんけちょんに言われるほどつまんない作品でも、くだらない作品でもないです。

ただ、やっぱり映像化しやすいだろうなぁ、と思わせる小説ではありますね。最近流行のライトノベルに分類される作品だと思いますが、ライトノベルってこういうもんなんですかね?

とりあえず10冊出ているシリーズのまだ1冊目。乗りかかった船なので、全部読むつもりです。ま、オススメしなくてもすでに売れてるし、知名度も高いんですが、食わず嫌いで読んでないなら、読んでみる価値はあると思います。

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「Ten Years After」

14冊目。で、またもストック1冊。書いていくペースが追いつかない(笑)

ということで、今回のご紹介は角川文庫から出ていた「Ten years After」(片岡義男著)でございます。……小説っていうと、ばななか義男か素子か、って世界ですな。偏りすぎ(笑)

本自体もそれほど厚くはないんですが、中編とまではいかないサイズのお話です。内容もごく簡単で、高校を卒業して10年経つ男女が、当時の友達の結婚式に呼ばれ、その招待を受けてから実際の式の翌日くらいまでを時系列順に淡々と追いかけた、という話。

片岡義男の小説だと、スジを紹介してもスジだけでは何の説明にもなってないのがミソですな(笑)。実際にはスジよりも「起こった出来事」が重要であって、その起きた出来事をいちいち紹介してったらキリがない(笑)

この人はアメリカのペーパーバックスなんかも取り寄せて読んでたりするみたいなので、アメリカのお話だとよくありがちなのかも知れないですが(ホントか?)、この主人公とおぼしき男女(男が2人に女が1人)なんですが、この女性がそれぞれの男性と関係を持っちゃうんですよね。これって前に紹介した、友達同士6人くらいの男女がそれぞれの組み合わせで結婚して離婚して、を繰り返すお話と似ているのかな、と。

ま、このお話の場合、女性を軸に男性2人は旧来の友達であって、それぞれが女性と関係を持ったことについて明示的には語られてないんですよね。「昨日は一緒だったよ」くらいに暗示されているだけ。実際にこんな状況下に置かれたら間違いなく3人の関係はぶっ壊れること必至だし、女性も何がしかの非難を浴びること請け合い。非日常というか非現実的なシチュエーションですが、だからこそ小説、とでも言いたいんですかね? むろん、そのスタンスなりストーリーなりを貶すわけじゃないんですけど。むしろそれはそれで好きだったり(笑)

さすがにこの本も古いので新品は入手困難だと思います。実際にワタクシもブックオフで買ったものですから。ま、万が一発見できて、興味があれば。

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「グリーン・レクイエム」

11冊目。で、相変わらずストック2冊。早いとこ全部書いちゃいたいんですが、なかなかコレが……。

ということで、本日のご紹介は講談社文庫から出ていた「グリーン・レクイエム」(新井素子著)でございます。ばななばっかりになるのも何なので、ホンの少しだけ趣向を変えました。ま、あんまり変わってないですけど(笑)

これも古い本ですねぇ。文庫の初版が昭和58年って(笑)。今から24年も前の本です。たぶん読んだのもそのくらいですね。中学生ですよ。ま、コレを読むといろいろと懐かしい……というか、今考えると「痛い」思い出が蘇りますね。それを紹介するブログじゃないので、書きませんが(笑)

で、文庫ですが表題作以外に2作品収録されてます。割と短いお話だったんですね。当時はんなこと思わなかったんですが。3作ともかなり立派なSFになってます。……でも、「サイエンス・フィクション」ではないか(笑)

やっぱり何と言っても表題作です。当時はえらく切なく悲しいラブストーリーにも思ったんですが、すっかりスレまくっちゃった今改めて読むと、若干ストーリーの展開にムリがある(笑)。もうちょっと長く書けば、もうちょっとどうにかなったろうに、と思わないでもないですね。この表題作には、後々続編として「緑幻想」なるお話が登場します。そっちの方がしっかりしたお話だった記憶があるんですが、ぼんやりとしか覚えてなかったり(笑)。「グリーン・レクイエム」を読んじゃったので、「緑幻想」もそのうち読みます。

残り2作のうち、ひとつは超短編。エッセイと同じくらいのサイズですね。コメディチックで、新井素子の味が出ていると思います。もうひとつは「宇宙魚顛末記」というお話ですが、これまたコメディ。著者曰くラブストーリーを書くつもりで、結果としてラブストーリーが破綻した、くらいのことを書いてありますが、確かにラブストーリーではない(笑)。ここではまだ紹介してないですが、「絶句」とかに近い印象です。やっぱりコレもストーリーの展開にムリを感じなくもないですが、結構面白く読めます。

たぶん新刊では入手できないような気がするんですが、古本でも見かけたらぜひ。オススメです。

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「哀しい予感」

8冊目。と言いながら、ストック2冊あったり(笑)。まだボチボチいいペース、って感じですかね。

ということで、本日のご紹介は角川文庫から出ている「哀しい予感」(吉本ばなな著)でございます。やっぱりばなな、ってことでひとつ(笑)

内容は例によって暗くてタブーに彩られたお話です。教師と生徒とか血のつながってない姉弟の恋愛やら近親者の死とか。ちょっとスピリチュアルな雰囲気があるのも、まぁ毎度のことと言えば毎度のこと。そんなに長くないお話なのに、1冊1話構成になってます。同じくらいの作品をもう1話、仮に収録しても全然厚みのない本です。今回は文庫を読んでいますが、単行本だと88年の本なのでかれこれ20年も前になろうかという作品です。

なのに、意外と重くない。不思議とサラッと読める作品です。書き方なんですかね? それとも初期の作品だけに、若さ故、なんですかね?

「哀しい予感」ってタイトルと内容が微妙に食い違ってる雰囲気が冒頭部分から漂っているんですが、読み進めるとこの作品が「哀しい予感」と付けられた理由が何となく飲み込めてきます。それでも、ラストは哀しくないんですよね。むしろ、未来を予感させるお話になってます。この手のお話があんまりないせいですかね。だから、あんまり重く感じないとか。

これもベストセラーになった本なので、いつでも入手できると思いますが、興味があればぜひ。オススメです。

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「青い色の短編集」

6冊目。で、ストックが2冊ありますよ、と。実質的に1日1冊ペースですな。そんなハイペースでいいんだろうか?(笑)

ということで、今回のご紹介は中公文庫から出ていた「青い色の短編集」(片岡義男著)でございます。ばななじゃなければ義男かよ、と(笑)

実際には何冊もあるんですが、角川文庫から出ていたシリーズの印象が非常に強いせいで、他の版元から出ている片岡義男の本っていうのはどこか違った趣を感じるわけです。で、コレは当然新品じゃ入手できないので、ブックオフで買ってきたものです。

内容は当たり前のように短編集。この本には「年上の女性との恋愛」ってなテーマがあるようで、収録されている6編は全部そういうお話です。

が。
そのうちの半分が、実の姉との恋愛関係を書いているという異色作。いや、この人が書くと「そうかぁ、姉ちゃんと恋愛関係もアリだよなぁ」と自然に受け取れてしまうんですが、フツーじゃあり得ない話ですな。実の姉に「あなたとは男と女で、今後結婚も離婚もないし」なんて語らせてしまうこの人は恐るべし(笑)

角川文庫以外の版元から出ている本っていくつか知ってはいるんですが、こういうあからさまに「性」をテーマにした本が少なくないです。祥伝社から出ている本も確かそんなような内容で、一種異常なシチュエーションでお話を展開させていくものでした。

惜しいのは、もっと書き込めばもっとエロな感じが出たのに、なぜか端折ってるんですよね(笑)。ま、エロだからいいっちゅーもんでもないですが、せっかくそういうテーマでそういう作品を書いてるのに、何となくぼやけた感じというか不完全燃焼な感じを受けるわけです。

ということで、強くオススメはしませんし、オススメしたところで入手も難しい本だと思うんですが、どこかで見かけて興味があったらいかがでしょう?

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「雨の中の日時計」

15冊目。とりあえず、15冊は読んでみました。って、まだストックがあるですが、今日で9月がお終いなので、早めに記事にしないと(笑)

ということで、本日のご紹介は角川文庫から出ていた「雨の中の日時計」(片岡義男著)でございます。ばななじゃないですが、義男です(笑)

これまた短編集です。ただ、30代半ばの男性2人がいろんな形で出てくるので、短編の連作集という感じでしょうか。で、いつものごとく内容らしい内容はないです。いろんなシーンで男と女が出てきて、ちょっとしたやりとりをして、といういつもの感じです。

ただひとつだけ引っかかったというか、疑問に思った内容があります。この主人公とおぼしき2人と高校時代の友人女性3人が出てくる話があって、それぞれカップルになって結婚して、ってシチュエーションが出てきます。ま、実際には結婚して1年ちょっとで離婚したりしているんですが、離婚した後に友達の元奥さんとできちゃって、結婚したり、いい関係になったりしてるんですよね。しかも、その後その女性とも離婚してたり。ま、物語の中ではとても当たり前のように描かれていて、さほどの違和感もないんですが、普通に考えたらあり得ないですよねぇ。さらに、結局元の奥さんとよりが戻ってたり。さすがにちょっとやりすぎだろう、と思ってみたり(笑)

他の本でも同じようなシチュエーションの話を読んだことがあったので、こういうシチュエーションに何かこだわりでもあるんですかね?

今となっては入手も困難なので何ですが、興味があればぜひ、という程度で(笑)

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「キッチン」

11冊目。って、今回のこの本がしばらく引っ張っていた1冊ですが、別にもう1冊ストックがあったり(笑)。なるべく早くとっとと紹介します。

ということで、本日のご紹介は福武文庫から出ていた「キッチン」(吉本ばなな著)でございます。小説に戻ったと思ったらまたばななかよ、ということで(笑)

コレ、ブックオフで買ってきた本なんですが、前に単行本で買った記憶があるんですよね。当然、その時読んでるワケですが、この間本棚をさらった時に出てこなかったので、買っちゃいました。何度も書いてますが、福武書店当時の本なので、古いです。奥付も93年2月で11刷(!)となっているので、今から14年前の本。実際に単行本が出たのは88年の話らしいので、かれこれ20年も前の作品になるワケです。

え〜、内容ですが短編集です。表題作とその続編になる「満月」と関連のないお話がもう1編。たぶん、続編があるお話って、この「キッチン」だけじゃないかなぁ、と。自ら自作をリメイクした、って作品はあるみたいですが、続編となると、記憶の中にはありません。

登場人物はやっぱり微妙にヘンな人ばかり。特に印象に残るのは「えり子さん」ですかね。これが吉本ばななのデビュー作にも関わらず、軽く人が死んでみたり、非日常がてんこ盛りな感じになってます。別に根暗い人じゃないと思うんですが、この当時からパステルカラーではなく、グレーとかモノトーンな印象の作品を書いてるんですな。

個人的には表題作よりも併録の「ムーンライト・シャドウ」の方が好みですかね。これまたがっつり暗い話ですが、どこかそこはかとなくスピリチュアルな香りのする佳作です。

93年時点で11刷ってことは、今じゃ別の版元ですさまじい数を刷ってるし、売ってるし、って感じの本でしょうが、機会があればぜひ。

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「白河夜船」

6冊目。と書きながら、もう1冊また読了ができたりしていて、どうも投稿が間に合っていない今日この頃(笑)

ということで、今回のご紹介は福武文庫から出ていた「白河夜船」(吉本ばなな著)でございます。すんません、また吉本ばななです(笑)

またも「福武書店」時代の本なので、えらい古いです。奥付で92年10月に三刷ですから、もう15年も前の本になります。単行本はそれよりさらに前のはずなので、20年近く前の作品になるんでしょう。たぶん、買ってすぐ読んでそれっきりになっていたと思われます。何せスジを全然覚えていなかったので(笑)

内容的には、これまた短編集です。文庫でも結構薄い部類に入る本だと思うし、文字の級数も大きいので実はそれほど読むのに苦戦するサイズではありません。小一時間もあれば読める本ですね。で、3つのお話が収録されていて、主人公も舞台も設定も全然違う3つのお話なのに、微妙に共通項のある話です。著者もあとがきでそんなことを書いているので、読者にもきっちり伝わった、ということですね。

タイトル話はかなり複雑な背景のある不倫の話、2話目は同じく複雑な背景のあるいとこ同士の恋のお話、3話目はやっぱり複雑な背景のある三角関係のお話、と全部複雑な背景を持ったまっすぐじゃない恋のお話になってます(笑)。2話目だけ話者が当事者ではない、っていう1人称で書かれています。

著者は「夜のお話」くくりで3つ書いて並べたみたいなことを書いているんですが、どうも夜って雰囲気があまりしません。強いて言うなら、語り手の語りが重いので、総じて「暗い=夜」って感じがする……かなぁ、くらいなもんです(笑)

これも結構重い話です。それでも、そこはかとなくライトな雰囲気があります。「デッドエンドの思い出」(こればっかですが・笑)に比べれば全然(笑)。救いのない話は入っていませんから。

どの話が面白い、というのはないんですが、総じて楽しめる1冊です。

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「すでに遥か彼方」

5冊目ですな。今月はちょっとペースが落ち気味ですが、読んでます。もう1冊あります(笑)

ということで、本日のご紹介は角川文庫から出ていた「すでに遥か彼方」(片岡義男著)でございます。……ってか、最近読んでるのは片岡義男と吉本ばななと新井素子しかない(笑)。だいぶ偏ってます。いいのか悪いのか……。

内容は、というと、前に紹介した「And I Love Her」と似たような作りで、短編集なんですが、ひとつひとつを書いた日付を付けることで、日記風な作りを狙ったとかっていう著者のあとがきがついています。

まぁ、日記風も何も読めば「あ、片岡義男だな」と分かる世界なので、特に新味も何もないんですが(笑)。とりたてて面白い話が収録されているワケじゃなし、エッセイとも小説ともつかない文章の集合体なので、評価も難しいところではあるんですが、この空気感がたまらなく好きなんですよね、ワタクシは。

20年前に読んでも、今読んでもその感覚が変わらないってのはすごいかも。というか、ワタクシが単に成長していないだけ?(笑)

ということで、これも古い本なので今となっては入手困難かも知れませんが、もし見つけたらいかがでしょう?

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「ひとめあなたに…」

4冊目、ですか。というか、前回も書きましたが、もう1冊読了本があるんですよね。紹介してないですが(笑)

ということで、今回の紹介は角川文庫から出ていた「ひとめあなたに…」(新井素子著)でございます。

コレ、最初に読んだのは中学生の頃。中学1年か2年か、ってくらいですね。奥付も昭和60年三刷なので。今から20年も前か……(遠い目)。ま、でも、この本に出会わなければ、ワタクシはもっと違った人生歩んでたかも知れません。ある意味ワタクシの人生を決めちゃったとっても重要な1冊です。

内容はというと、あと1週間で隕石が地球に衝突して、地球上のすべてが助からない、という状況下で、骨肉腫になった彼氏に会いに行くために練馬から鎌倉まで歩いていく、っていうお話。こう書くとめちゃめちゃ荒唐無稽だ(笑)。でも、設定自体はすごくリアルで、あと1週間ですべてが終わるっていうだけに公共サービスは全部止まってるし、殺人やら何やらが普通に起こっているというバイオレンスな状況をうまく描いてます。

で、そもそも何でこんな本を中学生の頃に読んだかと。その当時好きだった子に勧められたんですね。「人肉食っちゃう話があってグロいよ」って(笑)。確かに、主人公の女子と会いに行く彼氏以外はみんなとち狂ってて、浮気してた旦那を刺殺して、あろうことかバラしてシチューにして食っちゃうというエピソードが挿入されてます。

で、この新井素子って人の文体は、当時読んでいたあらゆる小説になかった完全口語体。コレを読んで、ガキだったワタクシは誤解したワケです。「これなら作家になれるやも」と(笑)。ま、結果小説もどきを書いてみて、やっぱり書けないことが判明し、それじゃあってことで本を「作る」側になろう、ってことで今日に至ったワケです。

あとがきに、狂った女子を書くのは美しいから好き、みたいなことが書かれてるんですが、少なくとも美しい感じは未だにしないですかねぇ。ただ、それぞれのエピソードで狂った女子の「本質」ってのが分かるようになった今は、ある意味すごい重い小説だなぁ、と感じたりしてます。

どうやらラブストーリーらしいですが、ラブストーリーを形成してるのは最後の1章だけ(笑)。そして、どうもやっぱり描写が読んでいて恥ずかしい(笑)。著者もさぞかしテレながら書いてたんでしょうな、きっと。

今、入手できるかどうか分からないんですが、機会があればぜひ。

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「体は全部知っている」

2冊目。ま、このペースで今月も20冊前後を目指すとしましょう(って別に数を読むために本を読んでるワケじゃあないんですが・笑)

ということで、本日の読了は文春文庫から出ている「体は全部知っている」(吉本ばなな著)でございます。ホントすんません、ばななづいてて(笑)

他にもまだ読んでない本やら、再度読もうと思ってる本は多数あるんですが、どうも今は吉本ばななと片岡義男に気分が行っちゃってまして……。明けて本日京都へ出かけますが、携行する本もやっぱりばななと義男(笑)。ま、合間合間で別の本も読んでるんで、いろいろご紹介できるかと思います。

で、内容ですが、短編集です。というか、かなり短い短編集。さして厚くもない本に13話収録されてます。まぁ「デッドエンドの思い出」ほど重かったり何だりってことはないんですが、お話自体はどれも結構異様な感じですね。どっか壊れた人ばっかり出てきます。壊れた人が再生していく話も中にはあるんですが、概ね途中で「ブツッ」とぶった切られた感じで終わっちゃうお話ばっかり、って印象が強い本です。「おーい、オチはどこ〜」とか「で、どーなんのさ?」ってちょっと置いてきぼりにされた気分になります(笑)

収録されたお話だと「ミイラ」が一番異様。読後感もかなり悪いです。「明るい夕方」とか「サウンド・オブ・サイレンス」も結構重い話。でも「サウンド・オブ・サイレンス」は尻切れトンボな印象なので、もうちょっと読ませて〜、って感じ。

サラッと読み流せるほど軽い話じゃないですが、どれもそこそこ面白い話だと思います。それだけに「もうちょっと読ませて〜」が多いのが残念。一応、オススメ。

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「うたかた/サンクチュアリ」

あっさり15冊目をクリア。あ、クリアって別にクリアしなきゃいけないもんでも何でもないんですけどね(笑)

ということで、今回の読了は福武文庫から出ていた「うたかた/サンクチュアリ」(吉本ばなな著)でございます。これまた「福武書店」名義の文庫なので、古いもんです。奥付は92年3刷になってるので、時期的には前回の「TSUGUMI」とほぼ同時期に買ったもんだと思われます(ってか、そこまで覚えてない・笑)

もうすっかり吉本ばななづいているわけですが、この本は「うたかた」というお話と「サンクチュアリ」というお話を収録しています。どちらも関連性のない独立したお話です。「TSUGUMI」と同じく、かなり初期の作品ですね。

で、どちらも関連性のない独立したお話なんですが、これは「TSUGUMI」と違って登場人物が壊れてます(笑)。人物が壊れているというか、設定が壊れているというか。かたや異母兄弟なの? どうなの? という2人が好きになっちゃってどうしようもない、ってお話で、かたやつきあってる人、自分の旦那がそれぞれ先に死なれちゃって、どうしようもなく悲しくて寂しい男女が出会ってどうこう、ってなお話。

はっきり言って、どっちも陰惨なお話です(笑)。読んでいて楽しくなるお話じゃあない。「うたかた」の方が気持ち救われますかね。人が死なない分だけ。「サンクチュアリ」は読んでいて、すんごく切ない気分になります。救われていく話なのに、全然救われた気分にならない(笑)

それでも、文体が今風にライトなので、サラッと読み流せるから読んでいられる、という感じ。「人間失格」だ「晩年」だ、みたいなどうしようもない感じになってないのがいいところですね。

ということで、まぁ万人ウケする本じゃないと思うんですが(それでも当時売れたんだろうなぁ)、それなりにオススメってことで。切ない気分に浸りたい人はいいかも、ですね。

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「TSUGUMI」

実は「アムリタ」のすぐ後に読み始めて、そのままサクッと読了しちゃった14冊目(笑)

ということで、今回の読了は中公文庫から出ている「TSUGUMI」(吉本ばなな著)でございます。「アムリタ」を読んだら、無性に読みたくなっちゃったので、続けざまに読み始めちゃいました。

これまた結構古い本で、作品としても3作目か4作目か、っていうくらいのもの。たまたま今回読んだのは文庫で92年初版でしたが、単行本は89年に出ているようです。

内容はあとがきにもありましたが、青春物語です。単純明快に。珍しくぶっ壊れた登場人物もいないお話。ただ、主人公たる「つぐみ」が体が弱くて、というような設定になっているだけで、特に陰惨な感じもないし、スルッと読めるお話です。

当時は吉本ばななの著書のうち、コレが一番好きな話でした。まぁ、単純明快なお話でしたからね(笑)。それに、コレを読むのと前後して映画も観ていて、その映画がそこそこ良かった。牧瀬里穂と中嶋朋子の組み合わせもよろしかった。なもんで、ホンのちょっとだけ思い入れもあったんでしょう。

それが大学生の頃のお話で、15年経った今改めて読んでみると、やっぱり面白い。ま、当時ほど思い入れはないですが、最後の章にくっついていて、物語の最後にもなっているつぐみの手紙、っていうのが、当時よりもずっと重く感じましたね。それがあったってこと自体を覚えてなかったので、サラッと読み流しちゃったんでしょう。スジは覚えてましたけど。

ということで、これはフツーに手に入ります。青春小説ですが、あんまり甘くない作りと設定なので、ボチボチ読めます。オススメ。

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「and I Love Her」

12冊目。冊数は増えてるけど、あんまり中身のない本を読んでいるような(笑)

ということで、本日の読了は角川文庫から出ていた「and I Love her」(片岡義男著)でございます。どうもここんとこ片岡義男づいてますが(笑)

これはブックオフではなく、おそらく中3か高校1年くらいで買って読んだ本ですね。初版が昭和57年、増刷で昭和61年の奥付になっていたので。当然、今は絶版になっていると思われます。しかし、こういっちゃ何ですが、えらい物保ちがいいですな、ワタクシ(笑)。20年以上前の本がちゃんと読める状態で残ってるんだから。

内容はショートストーリーを束ねた1話の小説です。三人称で「彼女」が主人公としていて、その彼女が春先から真冬までの1年間を通じてやったことを淡々と描いている、というスタイルです。

で、ワタクシこの本は割と好きで、もう何回も読んでるんですが、今回初めて(たぶん今までも読んでいたんだろうけど、忘れてたっぽい・笑)知ったのは、このストーリーは完全創作ではなくて、ちゃんとモデルの女性がいて、実際に取材らしきものをした上で構成されたもの、という事実。

読めば分かるんですが、えらいスタイリッシュな生活をしているワケです。片岡義男のお話に出てくる女性はだいたいみんなそんなもんなので、違和感なく読めるんですが、実際にモデルがいたとなると話は別。このことはあとがきに書かれていたんですが、えらい有能で、かつとても美人な方だそうで。その当時で20代後半にさしかかろう、という記述だったので、おそらく今は50代でしょう。

まぁ、普通の人ならまずやらない行動をフツーにやってしまうその思考というか、何というか。小説の主人公みたいな女性ってのは本当に存在するもんなんですね(笑)

ま、そんな内容も含めて、ごく手軽に読めるし、情景描写がとても優れていて、映像を観るがごとく楽しめる1冊です。巡り会えたなら、オススメです。

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「結婚のヒント」

11冊目。新書ではなく、軽く読める小説をチョイスしているからですかねぇ? ということで、本日の読了は角川文庫から出ていた「結婚のヒント」(片岡義男著)でございます。

これまた、ブックオフで入手してきた角川文庫の絶版シリーズでございます。それでも初版が平成6年なので、まだ11年しか経ってないんですな。書店では間違いなく見かけないので、絶版になっているのは間違いないと思うんですけどね。

で、中身はというとごく短い小説です。1冊で1話。結婚にまつわるお話なんですが、面白いのはこの小説の構造というかプロットというか。

主人公とおぼしき女性編集者がいて、その女性編集者が複数人の男性に結婚についての座談会をする、という設定なんですが、地の文がほとんどない。主人公のなりを軽く紹介し、座談会への導入を書いたあとはひたすら会話文だけで成り立っているという変わった構造です。ま、この手の仕掛け自体は珍しくないっていえばないんですけどね。

で、その会話によって結婚とは何ぞや、みたいなお話を展開しているんですが、まぁ、それはそれは理屈っぽいことこの上ない(笑)。フツーの人は絶対そこまで考えないよなぁ、ってくらい斜に構えた話が展開されていきます。中には「ごもっとも」とうなずけるところもなくはないんですが、概ね結婚に対して否定的で、ある種のイベントのひとつくらいに捉えてるのかなぁ、というのが浮き彫りになってます。

とりあえず、短い話だしワタクシのようなチョンガーにとってはちょっと興味深いところもなくはないネタなので、同じ境遇の方(笑)にはオススメです。もっとも、新品を入手できないのが何ですが。

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「アールグレイから始まる日」

いやぁ、先週、今週と何だかヘロヘロになっていて、なかなか書が進みません。困ったものです。

ということで、今月6冊目は角川文庫から出ていた「アールグレイから始まる日」(片岡義男著)でございます。

角川文庫から出ている片岡義男のこの手のものは、基本的に20年近く前のもので、今は当然絶版になっているものばかり。この本もそういう1冊です。で、前にも書いたような気がするんですが、中学生くらいの頃に片岡義男にどっぷりハマった時期がありまして、その名残で持っている本も相当数あるはずなんですが、コレはまた別。

先日、初めてブックオフなるところへ行く機会がありまして、中に入ってみてちとビックリ。古本なので、品揃えはどうさ? と思っていたら、意外や意外、結構ちゃんと揃っているワケですよ。もちろん新しめのものは決して多くはないんですが、それでもグルッと見て回ると「面白そう」ってな本がいくつも見つかりまして。

たまたま、角川文庫の片岡義男のものが結構あったので、見渡してみたら何冊か読んだことのないものを発見し、105円という爆安なお値段ということもあって、買ってきたそのうちの1冊です。

内容はと言えば、短編小説というかエッセイというか評論というか。微妙にとらえどころがなくて、微妙に書いてあることも今ひとつで、正直あまり面白くなかったです(笑)

ま、それも105円なので許してしまおうと(笑)

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きみの愛が、ボクに降りそそいだ

「コブラの眼」に続いて2冊目(正確には3冊目)。

角川文庫から出ている「きみの愛が、僕に降りそそいだ」(喜多嶋隆著)でございます。

え〜、この喜多嶋隆なる人、ワタクシ結構好きな作家さんで、この角川文庫の「ブラディー・マリー」シリーズと光文社文庫の「湘南探偵」シリーズは全冊読みました。

葉山在住ってことで、ご近所さんの親近感もあり、出た大学も同じもんで、これまたちょいと親近感がある、ってなこともあります。

で、このお話。
身も心もボロボロになった業界人とワケあり女性の恋愛譚でございます。よくも悪くも内容なコレだけ(笑)。葉山にほど近い秋谷っていう横須賀市のはずれの海っぺりの街が舞台になっとります。基本的にこの人が日本を舞台に書くとたいがい逗子、葉山、鎌倉、横須賀のはずれっていう湘南のとば口あたりが舞台になってて非常に分かりやすい(笑)。おまけに、地元民なら「ああ、あそこね」みたいな描写もあるので、それを読んでいくのがまた楽しい、ってな部分があります。

とは言え、「衣笠」の描写で「京浜急行の駅がある」はなかろう(笑)。ホントにこの辺の人なの? とちょっと疑う部分だったりしますな。担当編集も校正さんもすっかり見落としたんでしょう。衣笠にはJR横須賀線の駅はありますが、京浜急行の駅はありませんな。

最後の方に濡れ場の描写が多くなるんですが、それがいただけない。作者が照れているのか、それとも書き慣れていないのか(ワタクシが知る限りでは、このくらいストレートな濡れ場は他になかった)、比喩が決定的に上手くない。他の作家なら、もっといい例えをするだろうに、比喩が悪いせいで下品な感じになっちゃってるわけです。

まぁ、ほどよく「大人の恋愛小説」に仕上がってるっぽいですが、渡辺淳一あたりに比べれば全然(笑)。いろんな青春小説のシリーズ物を書いてるんですが、その延長線上にしかない一品です。万人にオススメできませんが、軽い恋愛小説が読みたい方にはピッタリ。ワタクシも結構けちょんけちょんに書いてますが、そう嫌いな作品じゃないです。

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「新旭日の艦隊 6」

引き続き、2冊目の読了本。

ちょっと前の記事でも書きましたが、中公文庫から出ている「新旭日の艦隊 6」(荒巻義雄著)でございます。

まぁ、5に続き6ってことで、これが一応「艦隊」シリーズのホントの最終巻ってことになるみたいです。実際、500ページ弱の分厚い文庫です。

え〜、分厚いので読むのにそこそこ難儀しましたが、難儀した割には「え〜」ってな感じのラスト。仮想戦記なので分類的にはSFですが、登場人物が消えちゃうだの行動中に影が薄くなるだのってのはどうよ?(笑)。仮想戦記じゃなけりゃそれも結構でしょうが、曲がりなりにも仮想戦記でそれをやっちゃあいけないだろ、っていうネタ満載(笑)

第三次大戦は一応終結します。終結して世界の平和がどうのこうの、ってな話になるんですが、もう戦争が終わっちゃったら、そっから先の話が冗長すぎて読むのがしんどかったです。

「艦隊」シリーズはホントに出来としては悪くないんですが、著者が考えをあまりに語りすぎるのが難点。小説なのか論文なのか何なのか、結構軸がブレてる印象がありますね。もっと戦闘シーンやら登場人物の描写やらを丁寧にやって、それだけに構成をまとめればもっと面白い話になったかも知れないんですけどね〜。

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「新旭日の艦隊 5」(6/2読了)

これまた入院中に読んだ1冊です。
中公文庫から出ている「新旭日の艦隊 5」(荒巻義雄著)でございます。

まぁ、そもそも新書で出ていたとんでもなく長いシリーズを何年かぶりに文庫化した、ってなもので、新書2〜3冊分を1冊にまとめているので、結構な厚みがあります。

これ、いわゆる仮想戦記もので、「紺碧の艦隊」「旭日の艦隊」っていう仮想第二次大戦を描いた物語がそもそものスタート。これらの続編で、第三次世界大戦を描いたのが「新紺碧の艦隊」「新旭日の艦隊」ということで、ネーミングが結構安直ですな(笑)

シリーズを通じて、中身は結構面白いんですよ。日本もドイツもやたらに強い(笑)。気づけば日本は太平洋の制海権を確保してるし、ドイツはソ連を瓦解させちゃうくらいの快進撃。で、日本はアメリカと講和してドイツと戦争をおっ始める、ってな流れです。

「新」の付くシリーズは、ドイツと連合軍(日本も入ってる)が講和して、何年か後に第三次大戦が始まって、それが終わるまで、っていう時系列。

このシリーズの最大の難点は、著者の余談があまりにも多いこと(笑)。話のテンポを崩してるし、冗長で結構つまんない話なので、これがなければもっと短い本になったんじゃないの〜、ってくらい。読み手としては、そんな余談を読むために買ったわけじゃないから、とっとと話を進めてくれ! って気分になります。おまけに読んでて退屈なので眠くなる副作用もあったり(笑)

トータルでは面白いんですよ。特に旭日も紺碧も最終巻に近いところは余談も少ないので、テンポがいいし。この本もそういう意味でボチボチ楽しめました。

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「ターザンが教えてくれた」(6/2読了)

これまた入院中に読んだ本。角川文庫から出ている「ターザンが教えてくれた」(片岡義男著)でございます。

え〜、たぶんコレって現在の角川文庫じゃ廃刊になってると思います。何せ買ったのは20年以上前のこと。昭和57年初版ってなってます。

内容は小説というよりもエッセイに近いもの。当時の片岡義男が書いていたどこかスタイリッシュな雰囲気の短編集です。

まぁ、この人のお話は出てくる女性はみんな美人で、どう考えても「こんなことしねぇよ」っていうことをやってのけちゃう非現実的なところがあったりするんですが、当時はそれが「かっこええ〜」と思ってたわけです。

20年以上経って、改めて読み直してみると、これはこれで面白いです。毒にも薬にもならん感じですが、情景が目に浮かぶ描写力たるや、やはり片岡義男はただ者じゃないと思わせる感じです。

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